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Lost in Queens

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Queensで道にまよった
よくあることです ここは不思議な町だから
建ち並ぶレンガ壁と
高架鉄道のあいだに漂う
嗅ぎ慣れぬ香辛料の匂い
ここでは言葉も迷子になる

突き当たりを右に行けば 
長い長いいっぽん道 運がよければね
左に曲がったら
もう二度と もう二度と
振り返ってあと戻りしようか
それともカラスにでも訊くか

買い物帰りの人たちが通り過ぎる
そのあとについて
何食わぬ顔で家に上がり込んだら
そのまま家族にまぜてくれるかも
あり得なくないでしょう
だってここはQueens

ゆうべ家のネコたちに言い聞かせておけばよかったかな
アタシをあんまり信用しない方がいいって





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( 2012.07.29 ) ( poem ) ( COMMENT:11 ) ( TRACKBACK:0 )
Toward Nightfall
夕暮れの歩道にかがんで
靴ひもを結び直した
背中に降ってくる電車の音
私は何者でもない


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( 2012.06.29 ) ( poem ) ( COMMENT:13 ) ( TRACKBACK:0 )
そのとき
そのとき
なにが見えるのかな

そのとき
時間が消え失せて
中空で止まった幾千の
雨粒の間をアタシは
風みたいにすり抜けるかな

オペラハウスの
丸天井にしみ込んだ過去の歌声
いっせいに目覚め
さざめくかな

そのとき
いつも通りに昇るはずだった
アタシの太陽は
冷蔵庫の中で
明日食べようととっておいた
桃のうぶ毛を照らすかな

赤いメモ帳の隅に描いた
いびつなてんとう虫
背中の星を開いて
ページの間から飛びたつのかな

前にブロンクス動物園で見た
仙人みたいな老いたフクロウも
あっち側の梢で
まばたきしてるかな

そしてアタシは
純潔だったためしのないアタシは
そのとき
この世に居残る何十億人かに
「わかったぞ」と叫ぶ間もなく

堕ちていく、のかな



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( 2012.03.23 ) ( poem ) ( COMMENT:3 ) ( TRACKBACK:0 )
闇色ほたる
むくろはゆっくりと沈んで
湖の底に落ちた
泥が舞い上がり
いっときの小さな混乱のあと
またすべてはもとどおりの静寂

何もかもを肩から下ろして
闇の底でむくろは
少しずつ解き放たれていく
光らない蛍の群れみたいに
からだもこころもそのなまえも
そして湖底の地形は
ほんのわずかに変わるだけ

生き残りは
握っていたはずのボタンを失くして
もう生き残りでなくなった自分を知る
若者の漕ぐボートの波紋がみなもを駈けて
足もとの岸に届いた


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( 2012.03.04 ) ( poem ) ( COMMENT:2 ) ( TRACKBACK:1 )
生き残りの数えうた
一つ、 
ひとりっきりになることをひたすら恐れた日はもう遠く
部屋の広さにもいつのまにか馴れ

二つ、 
ふやふやと足もとで溶けていたアスファルト 確かな堅さを取り戻したのはいつ
あのころ毎日となえてた、みぎひだりみぎひだり、のおまじない

三つ、 
未亡人とは「死に損ない」という意味らしい、しばらくは暗い錯乱をひとりで歩く 
だから叱らずに待っててやって そのトンネルを抜けるまで

四つ、 
4年前のクリスマス、大きなツリーをアタシに見せて得意げに笑ったあいつ
その顔を忘れたいやら離したくないやら、あの木の青い匂いを嗅ぐのがいやだ

五つ、 
いつかきっと捨ててやる 帽子とコート、デザートブーツ、ひげそりもシャンプーも
そして携帯の中のあいつの名前 そのうちきっと

六つ、 
向こう岸のキミにはもう意味のないもの:誕生日、預金残高、アタシ、シャツのしわ、明日、
よく考えると何もかもだ、でも記憶だけ例外にしてください

七つ、 
なあと鳴きアタシを見上げる若いネコ
そうかおまえは知らないんだ、ここに住んでたもうひとりの人間のこと

八つ  
やっぱり人は死ぬのだ、そして死ぬともう家には帰ってこないのだ、
夜が更け月が渡っても、外が大雨だろうと吹雪だろうと。

九つ、 
こたえの出てない問いかけも もう密閉容器に片付けてしまえばいい 
そうする以外納得の方法がない、神を知らないアタシには

十、 
「とわ」そんなもの大ウソだと嗤ってきたのに 
いやいやそうとも限らないとこのごろ思えたりする、失くしていく若さとひきかえに
生き残るのも悪くない



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( 2011.12.11 ) ( poem ) ( COMMENT:10 ) ( TRACKBACK:0 )
Pearl
あなた私のことを
口が堅くて
ちょっと頭が弱い
便利な女だと思っているでしょう
だからそんなに私のなかにずかずかと上がり込んで

それなら私は
あなたのポケットからぼとぼとこぼれた
そのくだらない自尊心を
私の痛みと虹でくるんでくるんで
丸く閉じ込めてしまいましょう

少しいびつなその珠はいつか、
たぶんあなたも私も死んだあと
この海を出て
ずっと遠くの眩しい街で
赤い唇の女たちの肌を飾るでしょう
真珠と呼ばれて



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( 2011.12.01 ) ( poem ) ( COMMENT:0 ) ( TRACKBACK:0 )
Song for 7:30 AM
影がずんずん先を行く
まるで何かを知ってるみたいに
まだちょっと寝足りないけど
この影について行こう
今日も見つけられる気がする
アタシの心を小さく鳴らすもの


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( 2011.11.10 ) ( poem ) ( COMMENT:6 ) ( TRACKBACK:0 )
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