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無題

青い地球の海に浮かんだひとつの大陸の北東の一角の
ひときわ明るい街の横を流れる川を挟んだ対岸の
コーヒーの産地の名前のついた通りに面した細長い家の三階の
ちょっと傾いた小さなアパートで
まぶたのたるんだ名もない私は
体重9キロのネコ1と
おかしな鼻したネコ2と
霧みたいに濃くなったり晴れたりする死人の影といっしょに
けっこう楽しくやってます
なのでおまえさんは
教会の塔の向こうの空のもっと上の大気を抜けた先の暗い宇宙の
散らばった星屑のそのまたずっと先にあるという
うさん臭い名前の夢みたいな場所で
羽根をはやした曖昧なものたちといっしょに
末永くお幸せに


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時々、家に帰るとこんなサプライズが待ってたりする





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( 2013.01.27 ) ( bubble ) ( COMMENT:15 ) ( TRACKBACK:0 )
死後
こないだ、雪が降った。
昼ごろから降り始めた雪は夕方に激しくなり、帰り道、クイーンズで地上に出るとすごい吹雪だった。バスに乗ろうかちょっと迷ったあと、やっぱり歩くことにした。ブルックリンへの橋にさしかかると風はもっと激しく、傘をあきらめてコートのフードをすっぽりかぶって歩いた。

立ち止まって見てみると、すぐ目の前から視界の終わりまで、すごい密度の3Dで雪が降りしきっている。自分がじっとしているぶん雪の激しさが倍にもなって体が取り囲まれた。すぐ横の車道を行く車のライトもぼうっとうす暗く、深海魚みたいにひっそりと雪の中を泳いでいく。つい何メートルか先はもう、明るいのか暗いのかわからない曖昧な灰色にかすんで何も見えない。

死後の世界への入り口はこんな感じかもしれん。もしかしたらこの橋は本当にその先でぷっつりなくなっているかもしれん。昨日まで橋の向こうにあったガソリンスタンドもドーナツ屋も車の修理工場も、あの古い家の三階の、どうってことない平凡なアタシの生活も、もうどこにもないのかもしれん。見上げると、無数の白い小さなたましいが風に乗ってぐるぐる廻っている。なんだか喜んでるようにも見える。死んだ後がこんな感じならそう悪くないなと思う。その時が来るのはいったいいつだろう。


と、そんなことを考えながら歩いていったら、意外にもというか当然というか街もアパートもちゃんとあって、ネコ1とネコ2がハラをすかせて待っていた。
次の日、空はまた晴れて気温も上がり、雪は一日ですっかり溶けてなくなってしまいましたとさ。



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バスヲマッテル 
(これは昨日、いい天気。なのに歩くのやめてバスにして、長い間待たされた)


 



( 2012.11.10 ) ( bubble ) ( COMMENT:4 ) ( TRACKBACK:0 )
通知
しばらく前から
どうもおかしいと思っていたら
こないだ茶色い封筒が届いて
中身はこれまた茶色い紙きれ一枚
「ここから先は自力でどうぞ」
と書いてあった
いかにもめんどくさそうに

アタシは途方に暮れて
とりあえず散歩に出た
町はずれの運河ぞいの古い倉庫の前まで来たら
がらんとした駐車場の真ん中に
木が一本立っているのが見えた
こんもり繁った枝葉から怪しい影がムンムンしていて
アッこれだと思ったので
その木の前に行き手をこすり合わせてお願いした
なんとかなりませんか
もうしばらくだけ
からだ全体すっぽりでなくてもいいです
いや、頭だけカバーできればそれでいいですから
返してください
アタシのあれを

そしたら枝がわさわさと動いて
ぎゅうぎゅう詰めにとまっていた
スズメの大群がいっせいに
こっちを向いて騒ぎたてた
もうないもうない
あんたのもはもうない



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    「甘えるでない」              「んだ」






( 2012.07.22 ) ( bubble ) ( COMMENT:10 ) ( TRACKBACK:0 )
かちかち山の真相
かちかち山にでてきたばあさんはたぬきに殺された、というのはぼんやり覚えていたけど、
青空文庫を読むと、ばあさんを殺したあとたぬきはばあさんに化け、帰って来たじいさんに作っておいたばばあ汁を食わせてせせら笑いながら逃げて行った、となっていた。
なんだこれは。そんな話は聞いてないぞ。
自分で記憶のこの部分を削除していたのか、それともアタシの読んだか聞いたかした話が改ざんされていたのか。

ばあさんの骨を抱いておいおい泣くじいさん、愛するばあさんを「うまいうまい」と食ってしまったじいさん、
自責と後悔にまみれて生きていかなきゃならないじいさん。このじいさんはアタシだ。そしてもっと言うと、じいさんに自分を映して哀れがっているアタシは、あまりにやすやすと騙されたこのばあさんでもあり、背中に火をつけられても「かちかち山だからさ」などと言われて納得した欲に溺れた愚かなたぬきでもある。

ちょっとトシとりすぎてるけど、
できることならアタシは竹から生まれた姫になって、もういいかげん月に帰らせていただきたい。


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屋根のうえの鷲も帰りたがっている。






( 2012.06.17 ) ( bubble ) ( COMMENT:10 ) ( TRACKBACK:1 )
トーキョー・スカイツリー
トーキョーという街に、
スカイツリーってなまえの塔ができたんだって。
その国のどこからでも見えるくらい高いんだって。
近くで見上げると、塔の先っぽがほんとに空に届いているのが見えるんだって。

でもそれだけじゃないんだよ。

ひるまは銀色の身体を閉じてじっと立ってるただの塔なんだけどね、
それが真っ暗な夜が来ると、おおきなあくびをして、
そしてゆっくり枝を広げるんだって、トーキョーの空いっぱいに。
その枝ひとつひとつに光る実がたくさんついててね。

トーキョーの夜空は最近星が増えたってみんながうわさしてるらしいけど、
ほんとはこういうことなんだってさ。



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( 2012.06.03 ) ( bubble ) ( COMMENT:6 ) ( TRACKBACK:1 )
雨の月曜

今日はいちにち雨。
仕事を終え、青っぽい匂いのなか
傘さして帰ってきた


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うちに帰ったあとはもう
いくらでも降ってちょうだい
もっともっと、裏のアパートが見えなくなるくらい激しく降って

ぶ厚い雨に守られて
おっほん、私は城の奥に隠された貴人であるぞ
これから2匹のネコと
夜更けのワルツをやるのです






( 2012.05.21 ) ( bubble ) ( COMMENT:10 ) ( TRACKBACK:1 )
夜空のむこう
しょうこりもなく、またまた壁。


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じっと見てたら
深い深い夜空
ものすごい数の流れ星の間を走り抜ける
銀河鉄道の旅、
なんてね。

ところで、銀河系の向こう側はどうなってるんだったかな?





( 2012.04.28 ) ( bubble ) ( COMMENT:6 ) ( TRACKBACK:0 )
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