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結局なにを言いたいのかわからん小話
ずいぶんと前。

好きな人もなく
仕事もなく
やる気のない毎日を送っていた
こんなんじゃダメだと焦る一方
何もかもから遠く離れてひとりで砂に埋まっていたかった

平日の昼下がり
時間もひともアタシの横を
冷ややかに通り過ぎて行く
空っぽの両手をポケットに突っ込んで
道に立ちすくんだ
犬だって用事ありげに歩いているのに

ある日、バスを待っていた
バス停にはアタシひとりだけ
カーブの向こうからバスがきて
フロントガラスの奥に小さく見える運転手さんと
一瞬目があった気がした
バスが止まって
目の前でドアが開いた
アタシはまだ透明じゃない
きっとだいじょうぶだと思った

あの時のバスの運転手さんのように
あなたも
自分の預かり知らぬところで
誰かを少し救っているかもしれない



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( 2012.03.27 ) ( bubble ) ( COMMENT:8 ) ( TRACKBACK:0 )
そのとき
そのとき
なにが見えるのかな

そのとき
時間が消え失せて
中空で止まった幾千の
雨粒の間をアタシは
風みたいにすり抜けるかな

オペラハウスの
丸天井にしみ込んだ過去の歌声
いっせいに目覚め
さざめくかな

そのとき
いつも通りに昇るはずだった
アタシの太陽は
冷蔵庫の中で
明日食べようととっておいた
桃のうぶ毛を照らすかな

赤いメモ帳の隅に描いた
いびつなてんとう虫
背中の星を開いて
ページの間から飛びたつのかな

前にブロンクス動物園で見た
仙人みたいな老いたフクロウも
あっち側の梢で
まばたきしてるかな

そしてアタシは
純潔だったためしのないアタシは
そのとき
この世に居残る何十億人かに
「わかったぞ」と叫ぶ間もなく

堕ちていく、のかな



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( 2012.03.23 ) ( poem ) ( COMMENT:3 ) ( TRACKBACK:0 )
火曜日のお楽しみ

火曜日の宵は

ネコ釣りに行こう。


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ルアーは、
ゴムひもつきネズミモドキ

たっぷりと昼寝した
元気のいいのが
きっと釣れるはず。



ほら、
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ね。

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( 2012.03.20 ) ( things I love ) ( COMMENT:4 ) ( TRACKBACK:1 )
Death or Glory

空が光る午後
聴いていた音楽を押しのけてきた
夕べの夢の感触
母とあいつがおみやげを手に玄関に並んでた
目覚めたあとの 失望の深みどり


やってられない
皮むき器ほっぽり出して
古いCDを探した
大音量の The Clash
鬼さん今日はあんたが泣きなさい
gloryはアタシのうえに


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( 2012.03.17 ) ( hear me out ) ( COMMENT:10 ) ( TRACKBACK:1 )
さむけ
きのう帰ってきたら、電話の留守録にわけのわからんメッセージが入ってた。

日本語でも英語でもなくまったく耳に馴染みのない言葉で、話し方がまたちょっと怪しく、舌を蜂にさされたか歯医者で麻酔を死ぬほど打たれたというような感じのもったりとくぐもった声がこう言った。(なぜか気になり繰り返し聞いてしまった)
「あげ~ずぃ、じょばあばびしら、でんん…(沈黙)えじいぐうぉ~~、あびりえり、え~じんぐ、う~(間)だ~いぢでゆうら、(ちょっと間)んば…(このあと長い沈黙ののち、不意に切れた)」

おとなの声だけど年齢性別不詳、風みたいな水みたいなびゅーびゅーごぼごぼという音が声の向こうでずっとしていた。この声の主はもしかしたらこの世のものではないのかもという気がした。どこか遠くの色の薄い世界で、線のちぎれた受話器片手に途方に暮れている人が一瞬見えて、ちょっと寒気がした。

今朝、いつものように地下鉄の駅に降りて行くと、ちょうど電車のドアが閉まるところだった。
乗り遅れた電車はいつもちょっとだけ現実離れして見えるものだけど、その電車のひとつの窓に、こちらを向いた女のひとの顔があった。アタシを見ていた。離れて行く電車の窓から首をよじってずっと見ていた。あっ、これはあの昨日の電話のひとに違いない、と思った。また寒気がした。

灯りのともった水槽みたいな電車はそのひとを乗せてイーストリバーの川底深く潜って行った。



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( 2012.03.14 ) ( daydream ) ( COMMENT:8 ) ( TRACKBACK:2 )
たまには長電話
母と久しぶりに長い電話をした。
アタシが小さいころどんなに幼稚園を嫌がったかという話になった。
(もう昔に何回か聞いた話だけどそれは母には言わないでおく)

仕事を持っていた母は、
「そこの角まで送ってあげるから」
と言って、ぐずるアタシを家から引っぱり出した。
その角にくるとアタシが
「次の角まで」とものすごく悲しそうに泣くので、もういっこ向こうの角までと約束し、
でも次の場所に着くとまた同じこと。
「本屋さんの前で終わり、そこからひとりで行きなさい」
とかなり厳しく言い聞かせて、うなずくアタシの手を引いた。

それでもその店の前に着くとやっぱりしがみついて離れず
結局母は幼稚園の教室までアタシを連れて行くはめになる。
「先生にアタマ下げてビービー泣くあんたを振り切って家に帰ったら、あんたは先にちゃんと戻ってた」
そう言う母はちょっと嬉しそうだった。

アタシが先に帰ってたというそのオチは少し眉ツバに思えるけど、覚えてないので反論のしようもない。
覚えているのは幼稚園が恐ろしかったこととそこまでの風景の断片だけ。
色褪せてあちこち崩れたレンガ塀とか、ずんずん近づいてくる曲がり角とか、
青石の門柱の陰にいつもいる不機嫌な犬。
そういえばあの水色のスモック、袖口のゴムのあいまいな窮屈さが嫌いだった。


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そんな「脱走」は小学校2年くらいまで続いて、理由は予防注射だったり跳び箱だったり、時には「忘れ物したから」だったりしたらしい。そんな情けないこどもでもなんとか生き延びるもんで、今は逃げ帰ることもなく、ちーんとすました顔で社会人やってます。 ニンゲンて不思議だ。






( 2012.03.07 ) ( memory lane ) ( COMMENT:8 ) ( TRACKBACK:1 )
闇色ほたる
むくろはゆっくりと沈んで
湖の底に落ちた
泥が舞い上がり
いっときの小さな混乱のあと
またすべてはもとどおりの静寂

何もかもを肩から下ろして
闇の底でむくろは
少しずつ解き放たれていく
光らない蛍の群れみたいに
からだもこころもそのなまえも
そして湖底の地形は
ほんのわずかに変わるだけ

生き残りは
握っていたはずのボタンを失くして
もう生き残りでなくなった自分を知る
若者の漕ぐボートの波紋がみなもを駈けて
足もとの岸に届いた


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( 2012.03.04 ) ( poem ) ( COMMENT:2 ) ( TRACKBACK:1 )
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