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Lost in Queens

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Queensで道にまよった
よくあることです ここは不思議な町だから
建ち並ぶレンガ壁と
高架鉄道のあいだに漂う
嗅ぎ慣れぬ香辛料の匂い
ここでは言葉も迷子になる

突き当たりを右に行けば 
長い長いいっぽん道 運がよければね
左に曲がったら
もう二度と もう二度と
振り返ってあと戻りしようか
それともカラスにでも訊くか

買い物帰りの人たちが通り過ぎる
そのあとについて
何食わぬ顔で家に上がり込んだら
そのまま家族にまぜてくれるかも
あり得なくないでしょう
だってここはQueens

ゆうべ家のネコたちに言い聞かせておけばよかったかな
アタシをあんまり信用しない方がいいって





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( 2012.07.29 ) ( poem ) ( COMMENT:11 ) ( TRACKBACK:0 )
通知
しばらく前から
どうもおかしいと思っていたら
こないだ茶色い封筒が届いて
中身はこれまた茶色い紙きれ一枚
「ここから先は自力でどうぞ」
と書いてあった
いかにもめんどくさそうに

アタシは途方に暮れて
とりあえず散歩に出た
町はずれの運河ぞいの古い倉庫の前まで来たら
がらんとした駐車場の真ん中に
木が一本立っているのが見えた
こんもり繁った枝葉から怪しい影がムンムンしていて
アッこれだと思ったので
その木の前に行き手をこすり合わせてお願いした
なんとかなりませんか
もうしばらくだけ
からだ全体すっぽりでなくてもいいです
いや、頭だけカバーできればそれでいいですから
返してください
アタシのあれを

そしたら枝がわさわさと動いて
ぎゅうぎゅう詰めにとまっていた
スズメの大群がいっせいに
こっちを向いて騒ぎたてた
もうないもうない
あんたのもはもうない



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    「甘えるでない」              「んだ」






( 2012.07.22 ) ( bubble ) ( COMMENT:10 ) ( TRACKBACK:0 )
鳩時計
小熊秀雄 『東京短信』より

鳩時計

鳩時計
扉をひらいて鳩が出てきた
さてクックッと鳴いたきりで
何んにも報告することが
ないと引退つた
報告のない人生
まさに彼女のいふ通り

__________________________________

上の詩の3行目と4行目の間に
ネコ2匹を座らせて
眺めてみたい
一時間後の興奮
報告なんかなくても



IMG_2798_convert_20120719105315.jpg  
道ばたの草木の勢いがうらやましい。
暑中お見舞い申し上げます






( 2012.07.19 ) ( daydream ) ( COMMENT:4 ) ( TRACKBACK:0 )
郷愁の胸やけとアユ
ともだちはある日突然この家に来て、なんにちか寝起きしたあとまた突然いなくなった。
いつものことだけど、その後しばらくアタシは、上映の終った映画館にぽつんとひとり居残っている気分の中で過ごす。

それは「ホームシック」なのか「郷愁」と呼ぶものなのかよくわからないけど、その間の、後悔に似た胸やけみたいな居心地悪さの中でふいに、すっかり忘れていた昔のことが匂いや音や手触りも含めてものすごく鮮やかに目の前に現れることがあって、それは「思い出」というにはあまりにはっきりとホンモノなので、アタシはけっこうこれを歓迎して「降臨」などとおおげさに呼んだりしている。

で、今回それは「アユ」。子供の頃からオトナの食べ物が好きだったアタシは、高校生のころ、学校帰りに友達を家に呼んで焼きなすにショウガ醤油なんておやつを作って食べたりしていた。それはたぶん母が小料理屋をやっていた影響で、春には鯛の桜あんや鰹のたたき、夏になるとハモなんかもよく食べた。中でもアユは大好物だった。

夜中に天井を見てたら突然、きゅうりによく似たアユの匂いがした。母が横に立っていて白い発泡スチロールの小箱を開けたのだった。みどりに光る身体はヌルヌルしていて、ああこれのせいでアユはものすごく早く泳げるんだなあと勝手に納得した。母は片手で限りなく優しく包むようにアユを持ちながら、もう片方の手で冷ややかに銀の串をつき刺した。「盛りつけた時、頭が天を向くように、跳ねてるみたいに打つのや」と目を手元に落としたまま母が言う。

次の瞬間アユはもう焼けていて、金色の鰭にまぶした塩も程よく焦げて香ばしい匂いがたっている。川魚の特徴なのか、繊細そうな見た目に似合わず皮は厚く強靭で強火で焼いても壊れることなく、その皮に守られた身は眩しいくらい真っ白で柔らかくて、焼きたての熱々なのになぜか涼しい匂いがする。それを先の細い華奢な箸でひとつまみ、たで酢にちょいと浸して食べる。うんま~い。あ、そういえばお腹のところの、脂に包まれたほろ苦い部分、あれもおいしいんだよなあ。

いま母に、これから飛行機に乗るからアユ焼いて、と電話したらなんて言うだろうか。
案外、はいはい、と静かな答えが返ってくるのかもしれない。



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( 2012.07.15 ) ( memory lane ) ( COMMENT:6 ) ( TRACKBACK:0 )
またね
もうこさん、ニューヨーク最後の日。
晩ごはんを食べたあと、
桟橋まで夕涼みに出た。


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あしたのいまごろ
きみは空に光る小さな点のなか
首を傾げて眠り
アタシはたぶんまだ会社の椅子で
背伸びでもして

あさってのいまごろ
きみは照りつける白い陽の5番街を
目の裏に見て
アタシは帰りの電車の中
きみが残していった本を読み


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しあさって、その次、またその次の日
昼と夜にわかれた
アタシたちはまた
それぞれの景色を眺めていこうか






( 2012.07.10 ) ( today ) ( COMMENT:10 ) ( TRACKBACK:0 )
ある日のふたりづれ
暑かった一日の夕暮れ時、
リンカーン・センターで。


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野外サルサ・フェスティバルでのシブ~いふたり。


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影もぴったりとふたりです。


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このふたりは噴水で夕涼み。


ここんとこNYは暑いです。明日は摂氏42度との予報。





( 2012.07.06 ) ( on this side ) ( COMMENT:8 ) ( TRACKBACK:0 )
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