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平日ひとりハイキング
休みが余っているのでとった。で、今まで行ったことないところへ行ってみた。だいたいの方向だけ決めて、後は携帯の地図見ながらということで、かなり適当に家を出た。

地下鉄をひとつ乗り換えた。その線は地下ではなくて高架になっている。NYの住宅はレンガ造り三階建てが多くて、電車はその屋根くらいの高さを走るので、まるでレンガの波の間を進む船みたいだ。平日の朝の下り電車は空いていて朝の日がいっぱいに射していた。いくつめかの駅で盲目の人が乗って来て、これはZトレインですかと聞き、近くに座っていた白髪の黒人男性が違うと言って立ち上がり、窓の上の路線図を指差して何かを言おうとし、すぐに相手が見えないことに気づいてその指をひっこめ、目的地を訊ねた。ふたりが話しているうちに次の駅に着き、白髪の人はいっしょに行こうと言ってふたりは電車を降りて行った。レイモンド・カーヴァーの短編のようだ、と思った。

適当に電車を降りたら、Forest Parkというでっかい公園がわりと近くだったので行った。遊歩道やハイキングコース、馬の散歩道も歩いてみた。この北側に高級住宅地があるから馬を持ってる人が多いのかもしれない。1時間ほどぐるぐる歩き回ってたら公園の外に出た。住宅街のどんづまりだった。家の前で車を洗っている人がいて、日本に似ていると思った。携帯の地図を見ながら家の方角めざしていくと大きな交差点に出た。Wendy'sというハンバーガー屋があり、そこから出てきたヒップホップ系の若者と並んで信号待ちをした。他に誰も人はいなくて、車がごうごうと走り過ぎるのになぜか白茶けた静寂みたいなものがヒップホップとアタシのまわりを囲っていた。

信号が変わって、日盛りのなか延々と続く墓場の脇の歩道を歩いた。長い墓場がやっと途切れると、ピザ屋だの99セント・ストアだの会計事務所だのといった店が並んで、そこはMiddle Villageという所だった。名前の通りクイーンズのほぼ真ん中で、なのになぜかそこだけすっぽり盲点になっているような、忘れ物のような町。小さな食堂に入った。メニューが何ページもあって迷ったあげく普通のBLTサンドイッチを頼んだ。隣のテーブルには絵に描いたような下っ端マフィア風兄ちゃんが二人座っていた。髪をべったり固めて金色のネックレスをした方は電話でなにか深刻そうに話していたので、真剣に聞き耳たてたけど話の内容は聞き取れなかった。向かいあったタンクトップに剃髪の兄ちゃんは自分の携帯画面にずっと見入っていた。

食堂を出てさらに15分くらい歩くと、Mトレインの駅があった。マンハッタンで時々乗る電車、ここがその終点だったのか。だけどこの駅の雰囲気、ニューヨーク市内と思えない。10分ほど待つと電車がのんびりとホームに入ってきて、アタシものんびりと乗り込んだ。平日午後の電車、乗客は皆なんだか満ち足りた顔をしていた。


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Mトレイン終点。



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( 2013.08.30 ) ( notes ) ( COMMENT:14 ) ( TRACKBACK:0 )
Going to the Market
farmer's marketまで買い物に。
土曜の朝で通りは静か、両側の窓という窓からエアコン室外機の音が道に響いている。

三軒隣の家を通りすぎる。ここのおじいさんをもう長いこと見ていない。角のストアまで、おそろしくゆっくりと新聞を買いに行く姿を前はよく見かけたのに。毎年6月ごろ裏庭いっぱいに咲いていた、おじいさん丹精のバラの木もそういえば最近勢いがないようにも思える。どうしたんだろう。となりの人に今度聞いてみようと思う。

しばらく行くと、傾いてボロボロの家がある。玄関ドアの前には割れた植木鉢やバケツ、錆びた自転車の車輪とかのガラクタが山と積んであり、その中心に青い衣装をまとった薄汚れたマリア像が立っている。窓ガラスはいくつか割れてビニールが貼ってある。空き家だとずっと思っていたけど、こないだ白髪のおばあさんがスーパーの小さな袋を片手にぶらさげてその家に入って行くのを見た。

角を曲がると、アイリッシュ・バーの隣にいつのまにかタトゥ・ショップができていた。ショーウィンドウの内側に入れ墨のデザイン画がびっしりと貼られている。ずいぶん前よく家に遊びに来ていた、語学学校に通ってたバンク狂のゆみちゃんという子を思い出した。その子は腰の両側にF字孔の形をした刺青を入れていた。美しい刺青だった。鮮やかな黒、という色があったんだと思った。

公園のランニング・トラックを横切った。子供が自転車の練習をしている。後ろを押すお母さんが手を離すとすぐによろよろして倒れてしまう。そうだ、すっかり忘れてたけど、自転車は習うものだった。昆虫みたいなヘルメットとぴちぴち上下で風切って走るアスリートにも自転車に乗れない小さい頃があったんだ。遠くをまっすぐ見てこぐとうまく行くとその子に教えてあげたいような気もしたけどそのまま黙って通り過ぎた。


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( 2013.08.17 ) ( notes ) ( COMMENT:16 ) ( TRACKBACK:0 )
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