Going to the Market
farmer's marketまで買い物に。
土曜の朝で通りは静か、両側の窓という窓からエアコン室外機の音が道に響いている。

三軒隣の家を通りすぎる。ここのおじいさんをもう長いこと見ていない。角のストアまで、おそろしくゆっくりと新聞を買いに行く姿を前はよく見かけたのに。毎年6月ごろ裏庭いっぱいに咲いていた、おじいさん丹精のバラの木もそういえば最近勢いがないようにも思える。どうしたんだろう。となりの人に今度聞いてみようと思う。

しばらく行くと、傾いてボロボロの家がある。玄関ドアの前には割れた植木鉢やバケツ、錆びた自転車の車輪とかのガラクタが山と積んであり、その中心に青い衣装をまとった薄汚れたマリア像が立っている。窓ガラスはいくつか割れてビニールが貼ってある。空き家だとずっと思っていたけど、こないだ白髪のおばあさんがスーパーの小さな袋を片手にぶらさげてその家に入って行くのを見た。

角を曲がると、アイリッシュ・バーの隣にいつのまにかタトゥ・ショップができていた。ショーウィンドウの内側に入れ墨のデザイン画がびっしりと貼られている。ずいぶん前よく家に遊びに来ていた、語学学校に通ってたバンク狂のゆみちゃんという子を思い出した。その子は腰の両側にF字孔の形をした刺青を入れていた。美しい刺青だった。鮮やかな黒、という色があったんだと思った。

公園のランニング・トラックを横切った。子供が自転車の練習をしている。後ろを押すお母さんが手を離すとすぐによろよろして倒れてしまう。そうだ、すっかり忘れてたけど、自転車は習うものだった。昆虫みたいなヘルメットとぴちぴち上下で風切って走るアスリートにも自転車に乗れない小さい頃があったんだ。遠くをまっすぐ見てこぐとうまく行くとその子に教えてあげたいような気もしたけどそのまま黙って通り過ぎた。


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( 2013.08.17 ) ( notes ) ( COMMENT:16 ) ( TRACKBACK:0 )